【2月5日 AFP】中国国営メディアは5日、南部広東(Guangdong)省陸豊(Lufeng)の警察幹部が、身分証を偽造して192戸以上の住宅を所有していた疑いがあると報じた。これまでにも同様の事例が報告されており、インターネットでは怒りの声が巻き起こっている。

 広州日報(Guangzhou Daily)によると、市公安局党委員で地元共産党副書記の趙海浜(Zhao Haibin)氏が、本人名義と所有会社名義で住宅を買い集めていたことをある「ビジネスマン」が明かした。趙氏は身分証を偽造して、会社資料に別の名前で記録していたという。また、趙氏とトラブルを起こしていた同ビジネスマンは2011年に当局に報告。これを受け、当局は偽造身分証を無効にしていたとされる。

 広州日報によれば、趙氏は、これらの不動産は実業家の弟が所有しており、自分は弟のために「管理」していただけと説明している。また別の報道によれば、趙氏と趙氏の所有会社は、広東省恵州(Huizhou)市内だけで192件の不動産を所有し、同省の深セン(Shenzhen)や珠海(Zhuhai)にも不動産を所有していたという。

 地元共産党幹部は5日、AFPの取材に対し、趙氏への取り調べを行ったが、現在は取り調べは完了し、趙氏の留任も決まったと語った。

 中国では、身分証を偽造した当局高官が居住許可を取得して複数の住宅を所有していたとの報道が相次いでおり、国内のソーシャルメディアでは腐敗のまん延、さらには中間所得者層には手の届かないほど高騰した住宅価格に批判が集まっている。(c)AFP