【2月2日 AFP】女性が教育を受ける権利を訴え、「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」から銃撃を受けて頭部に重傷を負った同国のマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(15)が、今年のノーベル平和賞候補に指名されたことが明らかになった。推薦の締め切りだった1日、候補者を指名できるフランスとカナダ、ノルウェーの国会議員らが明らかにした。

 マララさんは昨年10月、スクールバスに乗っていたところ、女性が教育を受ける権利を否定するTTPのメンバーに至近距離から銃撃された。以来、タリバンへの反対運動と、女性の権利を認めない宗教的過激主義への抵抗の象徴として、国際的にも知られる存在となった。

 一方、候補として他に名前が挙げられているのは、過去にも推薦されたベラルーシの人権活動家で現在、収監中のアレス・ブリアス(Ales Belyatski)氏と、ロシアの人権活動家、リュドミラ・アレクセーエワ(Lyudmila Alexeyeva)氏。

 ベラルーシは米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権が「欧州最後の独裁国家」と批判した国で、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は現在も、反体制派への弾圧を続けている。また、その隣国であるロシアについては人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights WatchHRW)が先ごろ、「ソ連の崩壊以降、市民を最も厳しく弾圧している」と非難したばかりだ。

 ノーベル平和賞は毎年10月初旬に発表されるが、候補者のリストは規則により、50年間公表されない。しかし、候補を指名できる人は過去の授賞者や各国の議員と政府関係者、一部の大学教授や国際機関のメンバーなど多数おり、これらの人たちが自ら挙げた候補の名前を公表することは認められている。(c)AFP/Pierre-Henry DESHAYES