【12月31日 AFP】時計が元日の午前0時を指すと同時に世界各地でシャンパンの栓を開けたり花火を打ち上げたりとさまざまな形で新年を迎えるが、中には変わった新年の祝い方をするところもある。

 新年を祝うのは世界で広くみられる最も古い伝統の1つでいろいろな形があるが、多くの文化に共通してみられるのが長く厳しかった1年を終えてくつろぐということだ。しかし、はた目には奇妙に思える新年の習慣もある。その多くは迷信に根ざしている。

 フィンランドでは、溶けた鉛を水に入れて新たな年の行方を占う。冷えて固まった鉛の形が「船」のようであれば「旅立ちの年」を意味し、ボールのように丸く固まれば「吉」といった具合だ。

 デンマークでは、みんなで椅子の上に立って年明けと同時にいっせいに飛び降り、新年に向かって文字通り「飛び込む」。また大みそかの晩のうちに友人の家の前に皿を投げつける習慣もある。元日の朝、自分の家の前に破片がたくさん落ちていればいるほど、その人は人気があると言われる。

 オランダでは、野外にクリスマスツリーを集めて巨大なたき火をし、粉砂糖をまぶしたドーナツを食べる。幸運を呼ぶとして新年に丸い食べ物を食べる風習は多くの文化にある。

 スペインでは、元日の午前0時を告げる鐘に合わせてブドウを1粒ずつ食べる。1粒1粒が12の月を表し、その月が「甘い」か「酸っぱい」かを占うという。

 フィリピンでは水玉模様のものを身につけてどんちゃん騒ぎをする人がいるかと思えば、南米のいくつかの国では幸運を呼び込むために鮮やかな色の下着をつける。下着の色は赤ならば愛を呼び込み、黄色ならば金銭的な成功を呼び込むとされる。

 地域や文化の差にかかわらず、新年の習わしの大半は1年のサイクルが再び始まる前にストレスを発散する機会になっているようだ。ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)の社会学者アミタイ・エツィオーニ(Amitai Etzioni)氏は「人々は1年中、社会の要求やモラル、法律といったものに縛られている。それがこの日だけは、社会全体が24時間、『無礼講だ、規範なんか忘れていい』と言ってくれる。そうして翌日には普段の抑制された生活に戻らなければならないのだ」と説明している。(c)AFP/Mariette le Roux