【11月29日 AFP】フランスの前大統領夫人、カーラ・ブルーニ・サルコジ(Carla Bruni Sarkozy)さんが仏「ヴォーグ(Vogue)」誌で自らの生活について語り、「自分の世代には、フェミニズムは必要がなかった」などと話したことを受け、マイクロブログのツイッター(Twitter)上で大きな論争が巻き起こっている。

 先の大統領選で夫の二コラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)氏が政権を追われて以来、同誌のクリスマス特集号で初めて公の場に姿を現したカーラさんは、「私たちのために道を開いてくれた先駆者たちがいました。私はフェミニスト活動家ではないし、それどころか真の中産階級なの。家庭生活を愛しているし、毎日同じことをしているのよ」と話した。カーラさんはモデルで歌手であり、2人の子供の母親でもある。

 ツイッターでは、この発言に関連したコメントが相次いでいる。カーラさんへの攻撃の急先鋒に立っているのは、フランスのフェミニスト団体「Osez le feminisme!」で、ハッシュタグ「#ChereCarlaBruni(親愛なるカーラ・ブルーニ様)」へのツイートを呼び掛けている。

 ある女性は、自分の収入が今も、同じ仕事をしている男性の約75%であることを強調し、「私の世代はフェミニズムを必要としている。なぜなら私は一年中、27%引きのセール価格で売られているから」とコメントした。

 そのほか、次のようなコメントも寄せられた。

「家事の8割をこなしているのは、今も女性たちだ」

「私の息子が助産師になりたいと言っても笑う人がいなくならない限り、フェミニズムは必要だ」

 さらに、フランスのローレンス・ロシニョール(Laurence Rossignol)上院議員も議論に加わり、「私が人から、『秘書の方ですか?』とたずねられる限り、将来の世代にもフェミニズムは必要だ」と発言。政府報道官でもあるナジャット・バロー・ベルカセム(Najat Vallaud-Belkacem)女性権利担当相はラジオ番組で、「すべての人がフェミニストになる必要がある。フェミニズムは平等の権利に関するものであり、一方の性が他の性を支配することではない」と述べた。(c)AFP