【11月19日 AFP】戦場を想定した手術の訓練を目的に、故意にブタを銃撃し負傷させて治療する英国軍の行為に対する批判が高まっており、英国防省は釈明に追われている。

 英王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals)の広報担当、クレア・ケネット(Klare Kennett)氏は、この慣習について「嫌悪感を覚え、衝撃を受けた」と述べ、ブタには知性があり、動物を傷つけずとも代替策はあるとし、多くの人々がこの事実におぞましさを感じていると厳しく非難した。英国軍はデンマークでの年2回の訓練に参加している。

 これに対し英国防省は18日、外科手術の訓練は「貴重な経験」であり、実際に「手術で多くの命を救ってきた」と釈明。ブタたちは「殺さずに内臓を傷つける」ために至近距離から銃で撃たれるが、その前に十分に麻酔を投与され、また手術訓練を行った後は「慈悲ある手段」で殺処分にしていると説明した。

 ブタを手術訓練に用いる英軍の行為は1998年にいったん中止されたが、政府の委託調査で「これに代わる効果的な訓練方法は存在しない」との結論に達し、再開された経緯がある。(c)AFP