【10月24日 AFP】自転車大国のオランダで、寒さが厳しい冬季の自転車事故を減らし、市民にいっそう自転車を活用してもらうため、各自治体はロードヒーティングの導入を検討している。

 この新システムを考案した工学技術コンサルティング会社「タウ(Tauw)」の技術者Marcel Boerefijn氏はAFPに、「自転車道の下に装置を敷設し、冬季の路面凍結を防ぐ仕組みだ」と説明している。地下30~50メートルから取り出した地熱エネルギーを利用するこのシステムには、いくつかの自治体が既に興味を示しているという。

 設置費用は自転車道1キロ当たり2万~4万ユーロ(約210万~410万円)。オランダにある自転車道の総延長は3万5000キロ以上あるが、Boerefijn氏はシステムの設置には実用的な利点があると強調する。

「大幅なコスト削減が可能だ。融氷用の塩を減らせるほか、事故減少により医療費を抑え、自転車での移動が増えれば自動車関連費用も減らせる」。Boerefijn氏によれば、同国では年間7000件の自転車事故が起きているという。

 オランダ東部にある人口約4万人の町ズトフェン(Zutphen)ではシステム導入に向けた予備評価が現在行われており、結果は来年初めに出る予定だ。その後、自治体レベルでの実現可能性調査が行われる。

 人口約1650万人のオランダでは、約1800万台の自転車が使われていると推定されている。(c)AFP