【9月3日 AFP】北朝鮮でのビジネスを展開していない米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)――しかし脱北者らが1日に明らかにしたところによると、10年以上前から都市部ではでコカ・コーラの購入は可能だったという。

 北朝鮮で営業を行っていないコカ・コーラだが、平壌(Pyongyang)市内のピザレストランとされる店舗でコカ・コーラが提供されている様子をとらえた動画が、動画サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿され、話題になっている。動画には誰もが見間違えることのないコカ・コーラの容器に入った飲料が映っていたが、その店では「イタリアのコーラ」を提供していると食事客に説明していた。

 2006年に北朝鮮から中国に脱出したリ・ソキョン(Lee Suk-Yong)氏によると、北朝鮮が資本主義を部分的に取り入れた市場改革を試みた2002年に、中国側からコカ・コーラの輸送が始まったという。「コカ・コーラは他の国と比べるととても高価だが、大きな都市であればどこの店舗でも買うことができる」とAFPの取材に語った。

 著名な脱北者のキム・ソンミン(Kim Sung-Min)氏は、AFPの取材に、コカ・コーラは「第13回世界青年学生祭典(World Festival of Youth and Students)が平壌で開催された1989年に北朝鮮に初めて紹介された」と説明。また「マルボロ(Marlboro)やダンヒル(Dunhill)といった外国たばこの銘柄も同様の店舗で購入可能だ」と付け加えた。

 当時は、外貨を持つエリート層と外国人のみが購入できる平壌の特別な店舗においてのみ、コカ・コーラを購入することができたとし、一般庶民が購入するには高額すぎたとソンミン氏は述べた。

 この件についてコカ・コーラ側は、「北朝鮮でビジネスは行っていない」とコメントしている。(c)AFP