【8月29日 AFP】豪メルボルン(Melbourne)で27日夜、オーストラリア初の硬貨「穴あきドル(Holey Dollar)」を含む希少硬貨3枚が競売に掛けられ、合計88万豪ドル(約7200万円)の高値で競り落とされた。

 この穴あきドルは、英国の植民地だったニューサウスウェールズ(New South Wales)が1813年に、ペルーのリマ貨幣鋳造所(Lima Mint)による1810年の1ドル銀貨をもとに作ったもので、通称「ハンニバルの頭(Hannibal Head)」と呼ばれている。この種のものでは最高額となる41万豪ドル(約3300万円)で落札された。

 ディーラーの「コインワークス(Coinworks)」からは、オーストラリア初の金貨「1852アデレードポンド(1852 Adelaide Pound)」や「1813コロニアルダンプ(1813 Colonial Dump)」も出品され、それぞれ37万豪ドル(約3000万円)と10万豪ドル(約800万円)で落札された。

 1800年代初頭、英国の植民地だったニューサウスウェールズでの硬貨不足を解消するために作られた穴あきドル。ラクラン・マクォーリー(Lachlan Macquarie)総督が調達したスペインドル銀貨4万枚から作られたものだが、現在では2枚しか残っていないという。「ハンニバルの頭」は民間が所有する唯一の標本となっており、もう1枚はニューサウスウェールズ州立図書館(State Library of New South Wales)が所蔵している。(c)AFP