【8月2日 AFP】ニュージーランドの小学校が、子どもたちにポッサムの死がいに衣装を着させるファッションショーを実施し、動物愛護団体などから批判を浴びている。

 ポッサムの死がいによるファッションショーが行われたのは、ニュージーランド北島(North Island)のウルチ小学校(Uruti School)。子どもたちは、ポッサムの死がいにウエディングドレスやビキニの水着などの衣装を着せ、三輪車に乗せたり、イーゼルに向かって絵を描くポーズをとらせたりした。

 地元紙タラナキ・デイリーニュース(Taranaki Daily News)はウェブサイトで、「派手に飾り立てられたポッサムたち」という見出しでこのポッサムの死がいの写真ギャラリーを掲載。コメント欄は「気持ち悪い」「吐き気がする」「頭がおかしい」などといった否定的な反応が大半を占めた。

 同国の動物愛護団体RNZSPCANew Zealand Royal Society for the Protection of Animals)のジャッキー・ポールス・スミス(Jackie Poles-Smith)氏は1日、AFPの取材に「正当化できる行為ではない。野生動物も家畜もペットも、尊重されなければならない」と語った。

「私たちはあらゆる動物への共感を呼び掛けています。たとえ死んでいてもです。学校がこのようなことを子どもたちにやらせていることは恥ずべきことです」

 一方、ショーを実施したウルチ小学校のポーリン・サットン(Pauline Sutton)校長は、「死んだ後に衣装を着せられるのは動物だけじゃない。私たちは人間にも同じことをする」と述べ、子どもたちがポッサムの死がいをドレスアップすることには何の問題も無いと反論した。

 また、サットン校長は、このポッサムの死がいによるファッションショーを含む今回のブタ狩りを中心とした資金集めキャンペーンは予想以上の収益になったと語った。

 ポッサムは、原産地のオーストラリアでは保護されているものの、ニュージーランドでは害獣として扱われている。ニュージーランドに19世紀に毛皮事業のために持ち込まれて以降増え続けたポッサムは、現在では約7000万匹が生息している。

 2010年にも北島の別の小学校がポッサムの死がいを投げて距離を競う「ポッサム飛ばし大会」を実施し、非難された。(c)AFP