【7月19日 AFP】米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)市内に出没し、ツイッター(Twitter)上でちょっとした人気者になっていたクロクマが15日、山に帰った。

 このクマは、ロサンゼルス市内のグレンデール(Glendale)で頻繁に目撃されたことから「グレン・ベアリアン(Glen Bearian)」という愛称がつけられたほか、「ミートボール」という名でも呼ばれていた。

 13日付の米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は、住民の関心と愛情を集め、ファンの住民によって自身のツイッターアカウント「@TheGlendaleBear」まで持つことになったグレン・ベアリアンを「社会現象」と評した。

 ツイッターでグレン・ベアリアンは、ごみ箱の食べ物をあさる喜びから、エジプト革命の行方まで、硬軟幅広くつぶやいていた。

 ロサンゼルス・タイムズは、市当局がグレン・ベアリアンを殺処分する可能性にも触れ、その場合、市側はグレン・ベアリアンを愛する住民からの苦情対応に追われることになるだろうと指摘した。グレン・ベアリアンもこの点は自覚していたようで「ツイッターユーザーの皆さん、ぼくが死ねばいいと思っているのは誰だい?今までどおり食べ物を外に出しておいてよ。写真も撮ってよ。天国で会おうね」とツイートしている。

 だが、この問題は15日、当面のところはハッピーエンドに終わった。

 警察と州魚類鳥獣保護局(Department of Fish and Game)の職員らが木の上で眠っていたグレン・ベアリアンを発見。近隣地域を封鎖して住民を避難させた上で、豆の入った袋を投げつけた。驚いて滑り降りたグレン・ベアリアンに向けて鎮静剤の矢を放つと、グレン・ベアリアンは2区画ほど逃走したが、学校の前で眠りに落ちたところを捕獲された。

 その後、職員らはグレン・ベアリアンをグレンデールから遠く離れたエンジェルス国立森林公園(Angeles National Forest)にトラックで運び、そこで放したという。(c)AFP