【7月11日 AFP】イタリア南部のナポリ(Naples)で、季節外れの温暖な気候と不衛生が原因で体長が7センチにもなるという大型の赤いゴキブリが大量発生し、公衆衛生当局は昼夜兼行で下水に殺虫剤を散布するなどの対応に追われている。

 同市のごみ処理事業はマフィアが関与しており、これまでにも頻繁に問題を起こしてきた。今回の事態を受け、同市ではあらためてごみ処理をめぐる議論が巻き起こっている。

 市の公衆衛生責任者は、暑さに加え早朝の回収に間に合わせるために前夜から屋外に放置されるごみがゴキブリ大量発生の原因だとみている。

 一部の専門家は腸チフスやA型肝炎がまん延する恐れがあると警告しているが、市の広報担当者はその可能性を否定した。またゴキブリが街を「侵略」していると言うのは大げさだとしつつも、今年の夏は前年と比べて大幅に数が多いことは認め、以前の市当局が下水道の清掃を怠ったのが原因だと語った。

 イタリア語で「船のゴキブリ」とも呼ばれるこのゴキブリは、世界中の熱帯地域に生息する一般的な種で、国際船舶に紛れ込み世界各地の港に広がっている。(c)AFP