【7月2日 AFP】米カリフォルニア(California)州で長年論争を呼んでいたフォアグラの生産・販売を禁止する法律が1日施行された。州内の高級レストランには、法律が発効する1日午前0時(日本時間同日午後4時)までに最後のフォアグラを堪能しようと大勢のグルメたちが押し寄せた。

 フォアグラ禁止法は、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)前知事が推し進めたもの。2004年に州議会で可決されていたが、カリフォルニア州唯一のフォアグラ生産者に7年半の猶予期間を与えていた。

 今後は州内でフォアグラを生産または販売した場合、1000ドル(約8万円)の罰金が科せられる。

■法の抜け穴に関心集まる

 州内の飲食店の大部分はフォアグラ禁止法を守ると公言しているものの、数週間か数か月もすれば法の抜け穴をくぐり抜ける人々が出てくるのは明らかだ。

 米公共ラジオ(NPR)は、ワインなどの酒類と同じように、レストランを訪れる客がフォアグラを持参して持ち込み料をレストランに払うようになるのではないかと指摘した。

 私的な食事会でフォアグラが供される可能性も取り沙汰されている。今回の法律はフォアグラの生産と販売は禁じているが、消費や友人同士で分け合うことは禁じていないからだ。

 高級食材通販のMirepoix USAは、フォアグラは2年間冷凍保存できることから、6月28日までに注文して買いだめするよう顧客に呼びかけていた。

■仏生産者は反発

 一方、本家フランスのフォアグラ生産者委員会(CIFOG)は前週、カリフォルニア州のフォアグラ禁止法は国際的な商取引の取り決めに反するものだという見解を示し、この問題について2日に仏農相と会いたいと申し入れた。(c)AFP/Michael Thurston