【4月24日 AFP】カナダの首都オタワ(Ottawa)近郊の農場で23日、1頭の牛による生涯乳量(生涯に出す乳の量)で世界記録が更新された。

 記録を更新したのは、ホルスタイン種の乳牛「スマーフ」。過去15年間の乳量は216トンと891キログラムで現在も乳を出し続けている。

 6代続く酪農家、エリック・パテノード(Eric Patenaude)さんは、所有するスマーフの乳量について、「牛乳コップ100万杯分以上に相当する」と説明する。

 これまで米ミシガン(Michigan)州の乳牛が乳量のギネス世界記録(Guinness World Records)を保持していたが、同団体はAFPに対し23日、スマーフがこれを塗り替えたことを認めた。
 
 一般的な生涯乳量は約35トン(3万3981リットル)で、1日平均では50リットル以下である。スマーフの1日平均の乳量もこれと同じだが、その寿命は普通の乳牛の約3倍と長い。

 スマーフには他にも、「優れた乳房賞」が地元紙より贈られており、これら「栄光」についてパテナード氏は、「長寿と安定性」のたまものと語る。

 スマーフは遺伝的にも優れている。スマーフの父牛「エンペラー」は米ウィスコンシン(Wisconsin)州出身の優秀な種付け牛で、オンタリオ(Ontario)州アンブラン(Embrun)にあるジレット農場(La Ferme Gillette)の酪農家によると、母牛のマーフィーも「乳量豊富」だったという。
 
 9月で16歳になるスマーフは、近々11頭目の子牛を出産予定。だがこれまでに産んだ雌牛は1頭のみで、(あふれるような)泌乳の遺伝子は細々と受け継がれることになる。(c)AFP