【2月7日 AFP】米ホワイトハウス(White House)のインターンをしていた19歳のころ、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)米大統領と1年半ものあいだ不倫関係にあったと主張する女性が、情事をつづった書籍を出版する。

 この衝撃的な回想録「Once Upon a Secret: My Affair with President John F. Kennedy and Its Aftermath(かつての秘密:私のジョン・F・ケネディ大統領との情事とその顛末)」は8日発売予定だが、6日に米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)が抜粋を掲載。同紙はそばの書店で購入したとしている。

 暴露本の中で、著者のミミ・アルフォード(Mimi Alford)さん(69)は、生後まもない息子を亡くしたときにケネディ大統領が涙を流したことを振り返り、キューバ危機のさなか、ケネディ大統領が「子どもがデッド(死亡)になるよりはレッド(共産主義)になった方がまだましだ」とアルフォードさんに打ち明けたと述べている。

 アルフォードさんは2人の親密な関係についても詳しく記されている。2人の関係は1962年夏に始まった。そのときのアルフォードさんの年齢は、ケネディ大統領の年齢の半分にもならないわずか19歳だった。ケネディ大統領は翌年、46歳で暗殺された。

■大統領夫人の寝室で初体験…赤裸々な描写

 ポスト紙の抜粋によると、アルフォードさんはインターン4日目にケネディ大統領に出会った。翌日には、ケネディ大統領から、自らホワイトハウス内のツアーをすると申し出があったという。

 ツアーにはジャクリーン(Jacqueline Kennedy)大統領夫人の寝室も含まれていた。アルフォードさんはその日、ケネディ大統領に純潔を捧げたという。

「ことが終わると、彼はズボンを引き上げ、私にむかってほほえみかけた」。それからケネディ氏は、アルフォードさんに化粧室の方を指さした。

「私はショック状態だった。一方、彼は実際、まるで世界で最も自然なことが起きたといわんばかりの振る舞いだった」

 あるケネディ伝記作家は、アルフォードさんについて「背が高く、ほっそりとして、美しい」大学2年生だったと描写している。

 アルフォードさんとケネディ大統領との関係は、大統領が暗殺されるまでの1年半続いた。ときには大統領と一緒に旅行に出ることもあったという。

「私たちの間には遠慮している部分があり」、キスをしたことは一度もなかったが、「セックスは変化に富んで楽しかった」とアルフォードさんは語る。ケネディ大統領は「次の予定などないかのように(ゆったりと)過ごすこともあれば、長居をする気分ではない様子のときもあった」という。

■暗殺まで続いた不倫関係

 不倫関係の中で、ケネディ大統領はアルフォードさんにスクランブルエッグの作り方を教え、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)とトニー・ベネット(Tony Bennett)の曲の良さを伝えた。親密な不倫関係になってからも、アルフォードさんはケネディ氏を「ミスター・プレジデント」と呼び続けたという。

 自由主義世界のリーダーから口説かれることについて、アルフォードさんは拒否しようと思ったことはなかったと語る。「米国で最も有名で権力のある人に求められているという事実は、抵抗しようなどとはまったく思わないほどに私の感情を増幅させただけだった。だから大統領にノーと言わなかった」

 アルフォードさんがホワイトハウスでのインターンを終え、米マサチューセッツ(Massachusetts)州のホイートン大学(Wheaton College)に戻って以降は、ケネディ大統領はマイケル・カーターという偽名でアルフォードさんにときどき電話をかけたという。

 アルフォードさんが最後にケネディ大統領と会ったのは、暗殺の1週間前の1963年11月15日だった。

「戻ったら電話するよ」と語るケネディ大統領に対し、アルフォードさんは、もうすぐ結婚する予定だと釘を刺した。「わかってるけど、どっちにしても電話するよ」とケネディ氏は返答したという。

 ケネディ大統領は大統領就任中にホワイトハウスで大勢の人々と情事を重ねたと言われており、米女優マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)とも関係があったとされる。

 ポスト紙によると同書籍の出版社、ランダムハウス(Random House)はこのように述べている。「大統領の死後、アルフォードさんは1人で悲しみ、秘密を心にしまい込んで、新たな人生を切り出そうとした。けれど彼女の過去は長い尾を引きずり、ついには結婚した男性との関係をも壊したのだ」

(c)AFP/Brigitte Dusseau