【2月3日 AFP】地リスの一種グラウンドホッグ(別名ウッドチャック)が春の到来を占う「グラウンドホッグデー(Groundhog Day)」――毎年恒例のこの行事が2日、米ペンシルベニア(Pennsylvania)州パンクサトーニー(Punxsutawney)で行われた。

 春の訪れの時期は、巣穴から出てきたグラウンドホッグが自分の影を見るか見ないかで占う。今年の北米は珍しい暖冬で、春も間近だろうと期待して集まった大勢の人々は、グラウンドホッグの「フィル(Phil)」の「お告げ」に落胆する結果になった。

 巣穴から顔を出したフィルが、自分の影を見たからだ。これは、冬がこの先まだ6週間は続くことを意味する。フィルのフェイスブック(Facebook)のページも「あと6週間は冬!!」と更新された。

■米各地に「フィル」のライバル、食い違う「お告げ」

 一方、ニューヨーク(New York)でもこの日、スタッテン島(Staten Island)の動物園で飼育されているグラウンドホッグの「チャールズ・G・ホッグ(Charles G. Hogg)」、通称チャックが、人気者のフィルに負けじと、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長立会いのもと春の訪れを占った。

 フィルと異なり、チャックは自分の影を見なかった。ということは、本格的な春が来るまで、このまま温暖な気候が続くということだ。ジョージア(Georgia)州とオハイオ(Ohio)州のグラウンドホッグたちも、影を見なかったという。

 ちなみに、季節外れの暖かさが続く首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)では、新顔のグラウンドホッグ「ポトマック・フィル(Potomac Phil)」が、交通量の多い交差点で150人あまりが見守る中、初めて春を予想した。このポトマック・フィル、実は剥製なのだが――影を「見た」。

 市議会議員のジャック・エバンズ(Jack Evans)氏は「皆さん、残念ながら、ここ(ワシントン)ではあちこちに暗い影が見えるようです。冬は6週間続くというし、議会は9か月も動かないままだ」と皮肉めいた冗談を飛ばした。

 毎年、2月2日に行われる「グラウンドホッグデー」は、農民たちが動物の行動を観察して種まきの時期を決めていたドイツ由来の伝統行事。最も有名なパンクサトーニーの「グラウンドホッグデー」は、1800年代にまでさかのぼるとされる。(c)AFP

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