【12月23日 AFP】米海軍艦船が任務を終えて帰還した港で行われる伝統儀式「ファーストキス」で21日、史上初めて同性愛者の女性カップルがキスを交わし、米海軍に新時代が到来したことを体現した。

「ファーストキス」は米海軍の伝統で、帰港した水兵をキスと抱擁で出迎え、無事の生還を祝う。最初にキスを交わすカップルは、1枚1ドル(約80円)のチャリティーくじを買った乗艦兵士らの中から抽選で選ばれ、くじの売上げ金は兵士の家族の子どもたちのために使われる。

 米海軍報道官によると、21日に米バージニア(Virginia)州のバージニア・ビーチ(Virginia Beach)に帰港した米揚陸艦オークヒル(USS Oak Hill)の「ファーストキス」の栄誉を獲得したのは、乗艦していたマリサ・ゲイタ(Marissa Gaeta)二等兵曹(22)と、パートナーのシトラリック・シュネル(Citlalic Snell)三等兵曹(23)。黒と白の海軍制服姿のゲイタ兵曹が下船すると、黒い革ジャンパーを着たシュネル兵曹が出迎え、同僚や集まった人々の拍手の中、キスを交わした。

 米海軍によれば、「ファーストキス」のカップルに同性愛者が選ばれたのは初めて。

 米軍は今年9月、同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁じた軍務規定を正式に撤廃したが、史上初の女性同士の「ファーストキス」は、これを象徴する瞬間となった。(c)AFP