【11月23日 AFP】英国の先住民支援団体サバイバル・インターナショナル(Survival International)は22日、アマゾン(Amazon)の最深部に暮らす先住民、ヤノマミ族(Yanomami)の新たな写真を公開した。さらに、ヤノマミ族保護区で再び違法な金の採掘が行われており、労働者らの流入でヤノマミ族が危機にさらされていると警告を発した。

 ヤノマミ族は長年、金鉱労働者から抑圧されてきた。1980年代には、暴力および病気の蔓延で、わずか7年間に人口が20%も減少した。

 こうした事態を受け、政府は1992年、ベネズエラ国境に近いブラジル北部のアマゾナス(Amazonas)州とロライマ(Roraima)州をまたいだ地域にヤノマミ族保護区を設置した。森林地帯の先住民保護区では世界最大の面積を誇る。

 だが、サバイバル・インターナショナルによると、金価格の高騰に伴い、保護区からわずか15キロの場所で違法な金採掘が行われており、金鉱労働者が続々戻ってきているという。

■10日間の捜索

 なお、写真は、ヤノマミ族のアマチュアカメラマンのMorsamiel Iramari氏が、今年3月にロライマ州上空で撮影した。別のヤノマミ族が森で狩猟中に(金鉱労働者から)弓矢で襲撃されたとの情報を受け、この集落の捜索を開始し、10日後に発見したという。襲撃されたヤノマミ族は当初、森の精霊の仕業だと考えていたという。

 小屋の規模から、この集落には38人が住んでいると見られる。ヤノマミ族の長老らによると、彼らは1970年代のアマゾン横断道路の開通とともに森の奥へ入って行ったヤノマミ族の亜族、「ワリペ」だという。(c)AFP/Claire de Oliveira