【11月22日 AFP】中国南部、広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)のブラジャー工場で、上司が女性従業員の1人に「屋根から飛び降りて地獄におちろ」と言ったことから、同工場で働く女性従業員400人が抗議として工場の電源を落とし、ストライキを起こした。国営メディアが22日、報じた。

 中国紙「新快報(New Express)」によると、ストライキを起こしたのは下着メーカー「トップフォーム・アンダーウエア(Top Form Underwear)」の工場。広東語を話す上司が、指示を理解していないとして、普通語を話す従業員をののしったことが引き金になったという。

 出稼ぎ労働者が大勢集まる珠江デルタ(Pearl River Delta)では最近、不満を持った労働者たちの抗議行動が相次いでいる。前週には、広東省東莞(Dongguan)にある「ニューバランス(New Balance)」や「アディダス(Adidas)」、「ナイキ(Nike)」の靴を作る工場で、解雇と賃下げに抗議する労働者7000人がストライキに突入し、警官隊と衝突した。

 トップフォーム工場の従業員は以前から、上司によるいじめや、賃金方式の変更に対して抗議していた。同工場では2月までは月給500元(約6000円)プラス残業手当という給与制度をとっていたが、2月以降は作ったブラジャーの数による完全出来高制に切り替わっており、出来高制のもとでは高騰する生活費をまかなうことができないと従業員から抗議の声が上がっていた。(c)AFP