【11月15日 AFP】欧州連合(EU)に加盟する27か国で18日から、自然燃焼を防止する処理が施されていないたばこ(燃焼シガレット)の販売が全面禁止となる。

 EU圏内のたばこ消費者数は5億人に上るが、EUによると、たばこの消し忘れが原因の火災が毎年3万件も発生し、死者も多数出ていることから、EUは「低延焼性(RIP)シガレット」を導入し、これ以外のたばこの販売は禁止を法制化することとなった(RIPはReduced Ignition Propensityの頭文字)。

 RIPシガレットは、たばこの巻紙の数か所に厚紙で作られたバンドがはめ込まれたもの。バンドが酸素の供給を遮断し、たばこの燃焼速度を抑制する仕組みだ。

 欧州委員会(European Commission)は14日、RIPシガレットの導入を法制化する根拠として、フィンランドでの統計を例にあげ、RIPシガレットを導入すれば、たばこ火災による死者を4割以上削減でき、1年あたり500人の命を救うことができると説明した。

 フィンランドは2008年、EU加盟国で初めてRIPシガレットの導入を法制化している。

 EU加盟国では法制化に向けて3年間の段階的導入期間が設けられていたが、これも17日に終了。翌18日からは、すでにRIPシガレットを導入している米国やカナダ、オーストラリアに続き、EU圏内のたばこも全てRIPシガレットとなる。

 欧州委員会で保健問題を担当するフレデリック・ヴァンサン(Frederic Vincent)報道官によると、RIPシガレットは着火しても、吸わずにいると自然に消えるという。

 なお、葉巻は規制の対象とならない。(c)AFP