【10月26日 AFP】米航空機大手ボーイング(Boeing)の新世代旅客機「ボーイング787ドリームライナー(Boeing 787 Dreamliner)」の初めての営業飛行の座席がチャリティーオークションにかけられ、3万4000ドル(約260万円)以上の価格で落札された。オークションを主催した全日本空輸(All Nippon AirwaysANA)が25日、明らかにした。

 ドリームライナーの初就航便は、26日発の成田発香港行き。全日空は同便のビジネスクラス6席をオークションにかけた。競売サイトのイーベイ(eBay)で行われたオークションでは、同区間のビジネスクラスの通常価格のおよそ13倍にあたる3万4000ドルの値がつけられた。収益は国際環境NGO(非政府組織)に寄付されるという。

 落札者は26日正午ごろに成田を出発し、27日に成田に戻る予定。ドリームライナーの就航は世界で初めて。

■エコノミー席のツアーも販売

 全日空は他にも、ツアー形式でエコノミークラス100席を販売。ツアーには香港ホテル1泊の費用も含まれ、大人1人7万8700円。10月末の成田・香港間のチケットは、地元の旅行代理店を利用すれば、ディスカウト価格で4万5000円ほどだという。

 9月末に日本に到着したドリームライナーは、もともとは3年前に全日空に引き渡される予定だったが、技術的なトラブルや遅れが相次いで発生。ボーイングは発注のキャンセルや見送りにより多大な損失を被った上、ライバルの欧州航空機大手エアバス(Airbus)にシェアを奪われる結果となった。

 ボーイングによると、ドリームライナーは、素材の軽量化などにより従来機よりも20%の燃費カットを実現しているという。燃料費の高騰に悩まされる航空会社にとっては、魅力的な特徴だ。(c)AFP

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