【9月28日 AFP】保守的なイスラム教国であるサウジアラビアで、女性の自動車運転を禁じるファトワ(宗教令)に反した女性に26日、むち打ち10回の刑が言い渡された。

 匿名を希望する人権活動家の情報によると、7月に紅海沿岸のジッダ(Jeddah)で車を運転中に逮捕されたシェイマ・ジャスタニア(Sheima Jastaniah)被告に、有罪が言い渡された。同被告は控訴する構えだ。

 女性に多くの制約が課されているサウジアラビアだが、前日の25日には同国史上初めて、女性の参政権と地方自治体選挙への立候補、さらに国王による任命制議会である諮問評議会への女性参加を認めることを、アブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王が発表したばかりだった。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、この判決は「サウジアラビアの女性に対する差別の大きさ」を表していると批判する声明を発表した。

 サウジアラビアでは6月17日、女性の運転禁止に対する抗議行動が全国に呼び掛けられ、これがフェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)を通じて広がった。これは1990年11月に同じく抗議の意を表するためにハンドルを握った女性たち47人が逮捕され、重い罰を科されて以来の大規模な大衆行動となった。

 同国には女性の運転を禁止する法律はないが、1990年の抗議行動後、内務省がファトワに基づいて女性の運転を禁止している。(c)AFP

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