【9月11日 AFP】カナダ政府が英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の肖像画を国外の全在外公館に掲示するよう命じたことに対し、元外交官や野党政治家らが9日、怒りの反応を示した。

 ジョン・ベアード(John Baird)外相の事務所は7日、全ての在外公館にカナダの元首であるエリザベス女王の肖像画を掲示するよう通達していたことを認めた。

 この動きは、6月末から7月上旬にかけて行われた英国のウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)のカナダ訪問の成功を受け、英国とカナダの関係がこれまでになく良好になっていることを示しているというのが大方の見方だ。カナダ市民はウィリアム王子夫妻を温かく歓迎した。

 カナダの元国連大使、ポール・ハインベッカー(Paul Heinbecker)氏は、「この決定は時代に逆行しており時代錯誤だ」と批判した。

 ことしの総選挙で議席を3倍に増やして与党保守党(Conservative Party)に次ぐ第2党となった新民主党(New Democratic PartyNDP)のポール・デュワー(Paul Dewar)議員も「われわれには外相がいないのだ。いるのは内装相だ」と述べて怒りをあらわにし、英連邦のほかの国々、たとえばオーストラリアやニュージーランドではそのような指示は出されていないと指摘した。(c)AFP