【9月1日 AFP】米国で、庭いじり中に剪定(せんてい)ばさみが眼窩(がんか)から頭蓋骨の奥深くへ突き刺さった86歳の男性が奇跡的な回復を遂げ、31日にアリゾナ(Arizona)州トゥーソン(Tucson)の大学医療センター(University Medical Center)で喜びの会見を行った。

 レロイ・リュッシャー(Leroy Luetscher)さんは7月30日、同州グリーンバレー(Green Valley)の自宅の庭で剪定をしていたところ、バランスを崩して落下。この時、地面に落ちた剪定ばさみの柄の上に顔から転落し、片方の柄が右目を貫通した。同センターが公開したX線写真では、柄が頭蓋骨の15センチ内部にまで突き刺さっている。

「どれほど痛かったか、言葉では言い表せませんよ。わたしがここに居られることを幸運の星に感謝します」とリュッシャーさん。

 これほどの事故でも、右目の上下まぶたの少々の腫れと右目の軽い複視だけで済んだ。眼窩は金属製のメッシュを使って再建されたという。外科医チームのリン・ポロンスキ(Lynn Polonski)医師は、「柄は首の外頸(がいけい)動脈にまで達していましたが、はさみを安全に取り除けると判断しました。目を失わないで本当に良かった」と話した。

 事故直後に救急車を呼んだリュッシャーさんのガールフレンドは、会見でこう述べた。「ショックでしたよ、血だらけで。はさみが突き刺さっているのを見てこう言うしかありませんでした。『ねえレロイ、一体何したの?』と」(c)AFP