【8月23日 AFP】ルワンダで今月初め、絶滅が危惧されるマウンテンゴリラの赤ちゃんが密猟者に捕獲され衰弱していたところを救出された。今では保護団体のもとで順調に育っている。

 このメスの赤ちゃんはルワンダの公用語の1つ、キニヤルワンダ語で「幸運」を意味する「イヒルウェ(Ihirwe)」と名づけられた。生後10か月程度とみられる。

 イヒルウェは7日、コンゴ民主共和国(旧ザイール)との国境近くの村ルバブ(Rubavu)で警察が密猟者から救出した。ゴリラの子どもを取引する国際密輸市場で売られるところだったとみられる。

 イヒルウェを保護しているマウンテンゴリラ保護団体「Mountain Gorilla Veterinary ProjectMGVP」の獣医ジャン・レイマー(Jan Ramer)氏によると、救出された時のイヒルウェはおびえていて、人間から感染したとみられる呼吸器感染症にかかっていた。

 呼吸器感染症はマウンテンゴリラの死因の第1位となっているが、ムサンゼ(Musanze)郊外にあるMGVPの検疫センターに収容されたイヒルウェは順調に回復しているという。イヒルウェは世話をしてくれる職員を両親と思いこんでいるようだ。

 現在、全世界で生存が確認されているマウンテンゴリラの数は約790頭に過ぎず、その多くはルワンダ、コンゴ民主共和国、ウガンダの国境付近に広がるビルンガ(Virunga)山地に集中している。このほか、ウガンダのブウィンディ原生国立公園(Bwindi Impenetrable Forest National Park)もビルンガに次ぐマウンテンゴリラの生息地となっている。(c)AFP