【5月31日 AFP】ノルウェーで法律に基づき取得できる育児休業のうち、男性に割り当てられる期間を現行の10週間から12週間に延長する法律の改正案が審議されている。

 ノルウェーはすでに世界で最も長い育児休業を男性が取得できる国だが、改正案が議会を通過することは確実視されている。可決された場合、7月1日から施行される。

 改正案によると子どもが生まれた場合、両親には、普段の賃金の100%(金額に上限あり)にあたる給付金を国から受けながら計47週間まで、あるいは賃金の80%にあたる給付金を受けながら計57週間まで育児休業をとる権利が与えられる。妻と夫の育児休業期間の合計を夫婦でどう振り分けるかは自由だが、現行で10週間、改正後で12週間は必ず男性が取るものとされる。

 ノルウェーの中道左派政権は2013年の任期満了までにさらに男性分の育児休業を14週間に延長したいとしている。

 ノルウェーは世界でも男女同権が進んでいる国とみなされているが、今回の法律改正は子育てを担おうとする父親のさらなる後押しとなるだろう。ノルウェーでも女性が育児で長期休業をとることは多く、女性が仕事をする上で不利になっていた。このような職場での性差を取り除くことも狙いだ。

 同国の民放テレビ局TV2によると、1993年に4週間で始まった育児休業の一定期間を父親に割り当てる制度は、非常に有効に機能しているという。この制度の導入前は育児休業を取る男性は3%に満たなかったが、今では90%前後の男性が育児休業をパートナーと分かち合っているという。(c)AFP