【5月24日 AFP】英リアリティー番組出身のイモージェン・トーマス(Imogen Thomas)さんとの不倫がうわさされるサッカー選手について、英下院議員が24日、高等法院の匿名報道命令を無視して、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のライアン・ギグス(Ryan Giggs)選手だと発言した。

 言論の自由を根拠にギグス選手の名前を挙げたのは、自由民主党のジョン・ヘミング(John Hemming)議員。ヘミング議員は「およそ7万5000人がツイッターでライアン・ギグスだと言っている。その発言者全員を収監するというのは現実的ではない」と議会で演説した。

■ツイッターで拡散、匿名報道命令は事実上無意味に

 裁判所による実名報道の禁止を受けて、英メディアはこのスキャンダルについて匿名報道を続けていたが、ツイッター(Twitter)で多くの人びとがこの選手はギグス選手だと名指ししていた。

 ツイッターでの広がりを受け、英大衆朝刊紙サン(Sun)と高級朝刊紙タイムズ(Times)などを発行するルパード・マードック(Rupert Murdoch)氏のニューズ・グループ・ニューズペーパーズ(News Group Newspapers)は、ツイッター上で実名が明らかにされている以上、匿名報道命令を維持することは無意味だとして高等法院に匿名報道命令の解除を要求していた。

 ギグス選手の弁護士が20日、ギグス選手の実名を書き込んだ人物の身元を明かすようツイッターに要求する法的措置を取ると発表すると、ツイッターにはこの発表に反発するツイートが溢れた。

 さらに、スコットランド紙サンデー・ヘラルド(Sunday Herald)は22日、スコットランドはイングランドとウェールズを管轄する高等法院の命令に従う義務がないとして、報道機関として初めてギグス選手の写真を掲載して実名報道に踏み切った。

■キャメロン首相は検討を約束

 英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相はこの問題について23日、プライバシー関連の法規制とインターネットをめぐる状況について検討することを約束した。

 ギグス選手は、28日のサッカー欧州チャンピオンズリーグ2010-11(UEFA Champions League 2010-11)決勝、FCバルセロナ(FC Barcelona)との試合に出場する予定。(c)AFP/Alice Ritchie