【5月23日 AFP】武術を駆使するスーパーヒーロー、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露首相が、世界を救う――。こんな劇画調マンガ「スーパー・プーチン、唯一無二の男(Super Putin, Man Like Any Other)」が今、ロシアのインターネット上で人気となっている。相棒は、熊の皮をかぶったドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領だ。

 ウェブサイト「www.superputin.ru」で公開されているこのマンガは、世界滅亡の日が1年後に迫ったモスクワ(Moscow)が舞台。「北欧風キャラ」の柔道着姿のプーチン氏が、爆弾の仕掛けられた満員のバスを運転しながら乗客を救うというストーリー展開は、どこか1990年代の米アクション映画『スピード(Speed)』をほうふつとさせる。

 運転席で、プーチン氏は歯を食いしばり、「絶対に時速80キロ以下には減速しないぞ!」とハンドルを握り続ける。

 すると、恐ろしい形相をした熊が登場する。この熊は実は着ぐるみで、中から現れた「小人」のメドベージェフ氏が、自動で動くiPadを駆使して爆発物を処理し、バスは危機一髪で難を逃れる。

 これらは、プーチン首相の柔道好きや、メドベージェフ大統領のIT機器好きを題材としたものだ。

 ところが、爆発の危機を逃れたバスを、今度は「われわれに知事を選ばせろ」「ホドルコフスキーを釈放しろ」などと叫ぶゾンビ集団が襲う。ホドルコフスキーとは、かつて露石油最大手だったユコス(Yukos)元社長で、脱税などの罪で服役中のミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)受刑者のことだ。

■大統領選の「裏選挙活動」?

「スーパー・プーチン」のストーリーを書いたセルゲイ・カレニク(Sergei Kalenik)氏によると、マンガ制作は有志による無償プロジェクトで、完成まで2週間を費やした。制作の狙いは「沈うつなロシア政治を活性化し対話をもたらすこと」だというが、メドベージェフ氏を「小人」扱いしていることから、マンガの公開を拒否するメディアも出ているという。

 ロシアでは、2012年の次期大統領選に向けて、プーチン首相とメドベージェフ現大統領が出馬するか否かに注目が集まっている。こうしたなか、「スーパー・プーチン」は大統領選の裏選挙活動だとか、ロシア政府の依頼によるものではないかなどの憶測が飛び交っている。(c)AFP

【参考】「スーパープーチン」英語版サイト