【5月2日 AFP】英国では、ウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Kate, Duchess of Cambridge)の結婚式がテレビ中継された前月29日、100万個の電気ケトルにスイッチが一斉に入れられた状態と同じだけ、電力需要が急増していたことが分かった。

 英電力大手ナショナル・グリッド(National Grid)によると、この日、最も大きく電力消費量が跳ね上がったのは、2人を乗せた馬車がバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)に向けて出発した午後0時40分(日本時間午後8時40分)。増加幅は、英国史上4番目となる2400メガワットで、チャールズ皇太子(Prince Charles)と故ダイアナ元妃(Princess Diana)の1981年の結婚時に記録した1800メガワットを上回った。 

 2400メガワットは、紅茶好きの英国人たちが愛用する電気ケトル100万個分に相当する電力だ。

 一方、歴史的瞬間を目撃しようと数百万人がテレビの前にかじりついていた間は電力消費量はがくんと落ち込み、新婦がウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)に向けてホテルを出発した瞬間には1500メガワット、バッキンガム宮殿のバルコニーにロイヤルカップルが現れた瞬間は3000メガワットも、急落した。
 
 ナショナル・グリッドの担当者は、「制御室での仕事も、わくわくする1日だった」と語った。

 英国における電力消費の過去最大の上昇記録は、1990年のサッカーW杯イタリア大会でイングランド代表チームが当時の西ドイツと対決した準決勝で、2800メガワットの上昇幅を記録した。この試合でイングランドはPK戦の末、敗退している。(c)AFP