【4月28日 AFP】欧米文化圏で確実にその地位を固めつつあるタトゥーだが、カンバスとなっている人間の皮膚が老化するにつれて、デザインがどのように崩れていくかを示した世界初の研究が27日、数学専門誌「Mathematics Today」に発表された。

 サッカーのデービッド・ベッカム(David Beckham)選手や女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さん、サマンサ・キャメロン(Samantha Cameron)英首相夫人など、タトゥーを入れたセレブの存在によって今やこのボディーアートは身近なカルチャーとなった。しかし、いつか年を取ったそのとき、彼らはタトゥーを入れたことを後悔したりはしないのだろうか?

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College LondonUCL)のイアン・イームズ(Ian Eames)准教授(流体力学)は、タトゥー用インクの粒子が時間の経過とともに移動していく様子を予測できる数理モデルを開発した。あるデザインのタトゥーが20年後にどのように見えるかを的確に予測でき、どんなデザインが長持ちするかの参考になるという。

 タトゥー用インクは、水銀、鉛、カドミウム、鉄などの不水溶性の固体粒子を含む懸濁液だ。皮膚に針を刺してインクを置くことで絵を描く。

 これらのインクは時間が経過するにつれ、皮膚細胞の代謝に伴って分散していく。イームズ准教授によるとこのとき、肌質、年齢、タトゥーの大きさ、日焼けによる色あせ、インクの種類などによって分散の状況は異なる。

 太い線は残りやすいが、小さく繊細なデザインは最初に消えてしまう。従って、とても細かく凝ったデザインのタトゥーは、入れた当初はとても格好良いかもしれないが、15年もたつと何のデザインだかわからなくなってしまうのだという。(c)AFP