【4月25日 AFP】英国全土が29日のウィリアム王子(Prince William)とケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんの結婚式に向けて盛り上がりを見せるなか、一部の英国人はロンドン(London)脱出計画を立てている。

 ロンドン在住の弁護士、スージーさん(30)は式典当日、友人たちとウェールズ(Wales)地方の田舎にキャンプに出かける予定だ。「2月に予約したわ。キャンプにはテレビもないの。ラジオはあるだろうけど、みんなでラジオを聴いてるところなんて想像できないわね」

 ロイヤルウエディングをめぐるここ数か月のメディアの熱狂ぶりに辟易(へきえき)して、どこか別の場所でゆっくりしたいと考える英国人は少なくないようだ。

「結婚式の宣伝は過剰よ。交通機関も治安の面でも、ロンドンに居続けるのは悪夢ね。それに、結婚式にも全く興味がないの。完全な時間の無駄よ。イライラするし無意味。自分の身にそれが降りかかってることに抗議するわ」(スージーさん)

■ウエディング中継見る=32%、見ない=45%

 英民間調査会社YouGovとオンライン旅行会社「lastminute.com」が行った世論調査によると、ロイヤルウエディングの中継を見ると回答した英国人は32%で、見る予定はないと答えた人の45%を下回った。

 ただ、ロイヤルウエディングの時期に合わせて旅行する人の多くは、単に、復活祭(イースター、Easter)とメーデーの祝日が重なったこの機会に長期休暇を取ろうという思惑のようだ。英旅行業協会(Association of British Travel AgentsABTA)の試算では、少なくとも300万人が海外旅行をするとみられる。

 こうした中、旅行業界も「国外脱出パック」の宣伝に熱を入れており、トルコやポルトガルなど人気の地中海エリアが2週間で200ユーロ(約2万4000円)以下と手頃な価格で販売されている。あるオンライン旅行代理店では、売上が前年同期比59.3%増えたという。(c)AFP/Danny Kemp