【3月7日 AFP】キューバの革命家エルネスト・チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)の有名なオートバイの旅に同行したアルベルト・グラナド(Alberto Granado)氏が5日、同国で死去した。88歳。国営テレビが同日、伝えた。

 グラナド氏はアルゼンチン生まれの生化学者だが、1961年以降、キューバで暮らしている。同テレビは、グラナド氏は「キューバの忠実な友として、医学、遺伝学の専門家を育成し続けた」と伝え、同氏をたたえた。

 医師だったグラナド氏と医学生だったゲバラは、1951年12月から8か月かけて南米を旅した。アルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)を出発し、南米各地をオートバイで巡った2人は、地方の貧困、医療を受ける機会の不足、先住民の公民権の剥奪などを目の当たりにした。

 この旅をグラナド氏が著書にまとめ、2004年、ブラジルのウォルター・サレス(Walter Salles)監督が同著をもとに『モーターサイクル・ダイアリーズ(The Motorcycle Diaries)』という映画を撮った。この作品は、アカデミー賞歌曲賞を受賞している。

 数年前のインタビューでゲバラとの友情について聞かれたグラナド氏は、「我々はとてもそりが合った」と答えた。

「政治や病気などの話をすると、2人はほとんどいつも、似たような考えを共有していた」

 国営メディアによれば、遺体はハバナ市内の葬儀場に移送された。グラナド氏の遺言により、遺体は火葬され、遺灰はアルゼンチン、キューバ、ベネズエラにまかれるという。(c)AFP