【2月6日 AFP】カナダでは移民は「機会」のひとつと考えられているが、英国や米国、スペインでは移民を「問題」ととらえている人が多いことが、欧米世論の移民問題に対する意識を調べる「欧米トレンド:移民(Transatlantic Trends: Immigration)」で明らかになった。

 調査は前年末、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペインの各国の成人1000人を対象に電話で実施された。

 フランスでは移民に対して否定的な意見を持つ人が急増した。2009年には違法合法を問わず移民が犯罪を増加させると考える人は25%以下だったが、2010年には40%にまで増えた。

 移民を「機会」であるよりは「問題」であると考える人は、英国で3分の2以上、米国とスペインで半数以上の人に上った。しかし一方で、移民たちが社会に適応できていると考える人の割合も、米国とスペインではそれぞれ59%と54%と半数以上に上った。また、英仏独ではおよそ40%、オランダとイタリアではわずか36%ほどだった。

 一方、カナダでは移民を「機会」と考える人の方が多く、移民を「問題」とみる人はわずか27%だった。また、移民らが社会に適応できていると考える人の割合も3分の2近くだった。

 また、移民が社会に適応するための方法としてはドイツでは言語の習得が重要と考えられ、オランダでは言語と文化、イタリアとスペインとフランスでは政治制度と法の尊重が最も重要だと考えられていた。(c)AFP