【1月11日 AFP】日本で、1960年代の漫画のヒーローキャラクターが突如カムバックして、児童福祉施設などにランドセルなどのプレゼントを贈るという謎の現象が全国的に起きている。

 この現象が始まったのは前年のクリスマス。前橋市の児童相談所に、「伊達直人(Naoto Date)」名義でランドセルが届けられた。

 伊達直人とは漫画「タイガーマスク(Tiger Mask)」の主人公の名前だ。伊達直人は孤児院で育つが、悪役レスラー養成機関にスカウトされる。その後、孤児たちを支援するためにトラのマスクをかぶって悪役レスラーたちと闘い、ファイトマネーを孤児たちのために寄付するようになる。

 このニュースが報じられると全国で類似の行為が相次いだ。養護施設や孤児院などに贈られたのは、ランドセルや文房具、おもちゃ、現金、食料品などなどさまざまだ。

 テレビや新聞が新しい「タイガーマスク」が現れるたびに取り上げる中、細川律夫(Ritsuo Hosokawa)厚生労働相は11日、この慈善行為の連鎖に「感激している」と語った。

 スーパーマーケットの投書箱に10万円の入った封筒が残された例もあった。手紙には「全国にタイガーマスクが居るんですよ、きっと…。未来ある子どもたちのために使ってください」と書かれていた。この店舗の店長は「伊達直人は子どもたちのヒーロー。子ども時代に戻った気持ちになる」と語った。(c)AFP