【12月23日 AFP】ロシアの美人スパイとして話題となったアンナ・チャップマン(Anna Chapman)さん(28)は、与党・統一ロシア(United Russia)の青年組織の要職に就いたようだ――。22日、同組織の大会に出席し、未来を「笑顔で」変えるべき時が来たと演説した。  組織の名称は「Molodaya Gvardiya」。前身は旧ソ連の青年組織「コムソモール(Komsomol、全連邦レーニン共産主義青年同盟)」で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領時代、若き「愛国者」たちを政権支持者として動員する目的で再興された。現在は、プーチン首相が党首を務める統一ロシアの下部組織となっている。

 この日、赤の黒のタイトなボディスーツ姿のチャップマンさんは、ソ連時代のプロレタリアートへの演説を彷彿とさせる口調で、人生に前向きになるよう若者たちに呼びかけた。

■「ポジティブに」、若者に呼びかけ

  「ポジティブになりましょう。わたしたちは超大国になるためにあまりにも多くのエネルギーを費やしてきました。わたしたちは毎日朝が訪れることを喜ばなければなりません」「未来を変革しなければなりません。まず、自分たちから始めましょう」「毎朝笑顔で目覚めたら、社会は以前よりネガティブなものではなくなります」

 この模様は、国営テレビでも放映された。

■職務内容は闇の中

 なお、ロシア通信(RIA Novosti)によると、記者団から職務内容について質問されたチャップマンさんは、急に口数が減り、ボディーガードに指示して立ち去ったという。

 大会で同組織の指導者に選出されたTimur Prokopenko氏は、ロシア通信に対し、やはりチャップマンさんの職務は明らかにしなかったが、「彼女はわれわれの世代の英雄だ」と語った。(c)AFP