【12月18日 AFP】「皇帝ボカサ1世」を名乗った中央アフリカのボカサ(Jean-Bedel Bokassa)元大統領が晩年暮らしていたパリ(Paris)郊外の大豪邸が、73万5000ユーロ(約8200万円)で競売にかけられている。

 ウェブサイトに掲載された公告によると、面積は550平方メートルで、庭師用の小屋や並木のある公園、ダブルガレージも付いている。

 ボカサ氏は1965年に大統領に就任。政敵を虐殺してその人肉で外国の要人をもてなしたり、自分の動物園で飼っているライオンやワニに餌として与えていたとされ、アフリカでも指折りの残虐な独裁者として知られる。

 1979年、旧宗主国フランスの空挺(くうてい)部隊の作戦により政権を追われ、コートジボワールに亡命。4年後の83年、フランスに亡命し、セーヌ川(Seine)を見下ろすこの豪邸に居を定めた。中央アフリカに帰国した際、大統領時代の残虐行為のかどで逮捕され、87年に死刑を宣告されたが、後に釈放。96年に死去した。

 2003年にクーデターにより政権を掌握したフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)現大統領が今月に入り、ボカサ氏の名誉を正式に回復している。

 今回の競売はフランスの裁判所命令によるものだが、ボカサ氏の息子は14日、「家族遺産の略奪」だとしてニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領に競売の差し止めを求めた。(c)AFP