【12月8日 AFP】性的描写などを含んだ桐生操(Misao Kiryu)氏によるグリム童話の創作版を、中国の出版社が本家グリム兄弟(Brothers Grimm)の童話の日本語版だと勘違いして中国語に翻訳し、発売後に児童書コーナーから回収する騒ぎがあった。

 国営紙・環球時報(Global Times)によると、中国友誼出版公司(China Friendship Publishing Company)など2社は、桐生氏版グリム童話の中国語訳を書店の児童書コーナーから撤去した。

「グリム童話のドイツ語版のオリジナルが見つからなかったので、日本語版を元にしてそれを中国語に翻訳した」ために起きた誤りだったという。同紙によると、このため例えば『白雪姫』では、白雪姫が父親や7人のこびとたちと性的関係にあったり、白雪姫と恋に落ちる王子が死体愛好家で、白雪姫の体と恋に落ちるように描かれている。

 出版社側は「子どもが読むことは想定していなかったが、児童書の棚へ置かれていた」として、2日に書店に対し返品するよう通告した。

 しかし、この桐生版グリム童話の中国語訳本には、原作者名としてグリム兄弟が記されているだけで、桐生氏のクレジットはなかった。どちらを原典としたのかと問いただされた出版社担当は「制作過程が複雑だった」と述べて回答を避けたと同紙は報じている。(c)AFP