【11月18日 AFP】オーストラリアのグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)にあるリゾート島で、嵐に見舞われた前週末の土曜の晩、オスのコアラがバーに「来店」した。コアラは店内をうろうろした後、高いところを見つけたかと思うとたちまち居眠りを始め、客たちを驚かせた。

 騒ぎがあったのは、クイーンズランド(Queensland)州の沖合いに浮かぶマグネティック島(Magnetic Island)にある「マーリン・バー(Marlin Bar)」。バーテンダーのケビン・マーティンさんに近づいてきたコアラは、目の前で木の支柱を上り、はりの上に陣取った。

 マーティンさんは冗談めかしながら「IDを見せるよう言ったらちょっとムッとしたようで、そのまま支柱を上っていってしまった。そして垂木のひとつに横になると、ばたっと手を広げ、あっという間に寝入ってしまったんだ」と語った。

 コアラの来店は歓迎だったが、マーティンさんはコアラの身のためを思って、野生動物担当の職員を呼んだ。コアラはその後、島内に放された。

 クイーンズランド州全体では開発が進み、コアラの生息が脅かされつつあるが、同島には多数が生息している。

 マーティンさんは、なぜ店に入ってこようとコアラが思ったのかは分からないと言いながらも、たぶん雨やどりをしたかったのではないかと想像している。「入る前に、しばらく店の前をうろうろしてた。店の中では幸せそうだったよ」(c)AFP

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