【11月16日 AFP】2009~10学年度に米国の大学・大学院で学んだ外国人留学生の数が、過去最高の69万923人に達したことが15日、米国際教育研究所(Institute of International EducationIIE)が公表した報告書で明らかになった。中国人留学生の急増が主要因だという。

 この報告書「Open Doors 2010」は米国務省教育文化局の資金でIIEが毎年作成している。これによると、中国人留学生の数は前年比30%増の12万8000人となった。

 出身国・地域別の割合でも中国が18%を占めて首位。以下、インド、韓国、カナダ、台湾、日本、サウジアラビア、メキシコ、ベトナム、トルコと続く。外国人留学生全体は前年度比で3%増えた。

 外国人留学生が米国にもたらす経済効果は200億ドル(約1兆6600億円)に上るという。米国務省は報告書の公表に合わせ、「その知識や能力、多様な見識によって、外国人留学生は米国の大学や地域社会を豊かにしている」とのコメントを発表した。

■米国人の留学先は多様化

 一方、2008~09学年度に外国で学んだ米国人学生の数は、前年度の26万2416人から26万327人と0.8%減となったが、留学先は多様化していることが明らかになった。

 米国人の2008~09学年度の留学先上位25か国・地域のうち、15か国・地域は従来人気のあった西ヨーロッパ諸国ではなく、19か国は英語が主要な公用語になっていない国・地域だった。

 留学先の地域別内訳はアフリカが16%増、南米13%増、中東9%増、アジアが2%増となっている。(c)AFP