【10月22日 AFP】同性愛が違法とされ、極刑を含む厳罰化法案が国会に提出されているアフリカのウガンダで、同性愛に反対する論調の新タブロイド紙が「彼らを縛り首に」という見出しや、同性愛者の写真を掲載し、国内外で物議を醸している。
 
 問題となっているのは、タブロイド紙ローリング・ストーン(Rolling Stone、米国の同名誌とは無関係)。10月2日号では目立つ同性愛者100人の身元を割り出すと約束し、さらに以前の号の見出しでは、同性愛者の権利を求める活動家は「縛り首にしてしまえ」と扇動した。

 今週に入り、ウガンダのメディア委員会のポール・ムサカ(Paul Mukasa)委員長は同紙に、政府の認可が下りるまでこれ以上の発行を禁じると通告した。ムサカ氏は、発行を続けるための許可は下りるかもしれないが、発行済みの4号については、発行登録をしていなかったため違法であると述べた。

 米国務省のマーク・トナー(Mark Toner)報道官は21日の会見で、「ゲイやレズビアン、バイセクシュアルの人たちに対する暴力を呼び掛けるウガンダのグループについて深く懸念する」と述べ、特にウガンダのローリング・ストーン紙に関する言及だったことを認めた。

 法律で同性愛を禁じているウガンダでは、同性愛者であることで終身刑にもなりうる。さらに09年には、同性愛に死刑を科す法案までもが国会に提出された。

 性的少数派の人権擁護を求めている活動家のユリウス・カグワ(Julius Kaggwa)氏は、人権団体からの表彰を受けるため訪米したニューヨークで20日、「同性愛嫌悪が人を殺す」と怒りをあらわにした。そして「法案からいくら死刑を除外したとしても、ウガンダでは依然、同性愛は死刑と等しい。同性愛者は社会的から切り離され、医療サービスも断られ、治療もできなければ家も持てない」と語った。(c)AFP