【8月27日 AFP】韓国の登山家、呉銀善(オ・ウンソン、Oh Eun-Sun)さん(44)が女性として世界で初めてヒマラヤ8000メートル峰14座を制覇したと主張していることについて、韓国の大韓山岳連盟(Korean Alpine FederationKAF)は27日、この主張を認めないという結論に至ったと発表した。

 呉さんは4月27日にネパールのアンナプルナ(Annapurna、標高8091メートル)登頂に成功し、この記録を達成したと主張している。

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■「09年5月のカンチェンジュンガ登頂は失敗」

 KAFは呉さんが09年5月にネパールとチベットの境界にあるカンチェンジュンガ(Kanchenjunga、8586メートル)を登攀(とうはん)した際、頂上に達していないとの見解を示した。

 今回の結論はカンチェンジュンガに登った経験のある韓国の著名登山家7人が出席した26日の会議で出されたもの。KAFのイ・インジョン(Lee In-Jung)会長がこの会議の議長を務めた。

 KAFのイ・ウィジェ(Lee Eui-Jae)事務局長によると会議に出席した全員が、呉さんがカンチェンジュンガ登攀中に撮影した写真の風景は実際の風景とは異なるうえ、呉さんの登山プロセスに関する説明に信用できない点があるという見方で一致したという。

 呉さんのカンチェンジュンガ登頂に付き添ったシェルパたちが、山頂には至らなかったと述べた「証言」も参考にしたという。

■呉さん側は反発

 一方、呉さんは「一方的な見解だ」と述べて、同連盟の決定を受け入れない姿勢を示している。呉さんのスポンサーになった韓国のアウトドア用品ブランド、ブラックヤク(Black Yak)も、「登頂成功の証拠がない登山家は他にもいる。連盟がやっているのは呉さんへの嫌がらせだ」と反発している。

 KAFでは呉さんから明白な証拠が提供されれば、再び会議を開いて検討するとしている。

 21日には韓国のテレビ局SBSも、呉さんが提出した写真の不自然な点や、地元のシェルパや登山家、そしてカトマンズ(Kathmandu)でヒマラヤ登山の第一人者といわれる登山家エリザベス・ハーリー(Elizabeth Hawley)さんのインタビューを検証して、呉さんの主張に疑問を呈する特別番組を放送していた。(c)AFP/Nam You-Sun