【8月19日 AFP】66歳の中国人男性が、地震が発生すると「要塞(ようさい)」に早変わりするベッドを発明し、特許を取得したと、中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が18日報じた。

 この男性は、河北(Hebei)省石家荘(Shijiazhuang)に住む王文錫(Wang Wenxi)さん(66)。発明したベッドは、両端に戸棚が付いている。この中に、数日間生き続けられるだけの飲料水、缶詰、そして拡声器や金づちをしまっておけるのだ。

 地震発生時には高荷重に耐える板がベッドの上にせり出し、寝ている人を落下物から守る。レンガ造りやコンクリート造りの低層・平屋建ての建物での使用に向いているという。

■大地震に心痛めて考案

「ブン川(Wenchuan)と玉樹(Yushu)の地震では、非常に多くの人が犠牲になりました。わたしにできることは、死者の数を減らせる何かを作ることではないかと思ったんです」と王さん。2008年5月に起きた四川(Sichuan)省ブン川県を震源地とする四川大地震では、死者・行方不明者が8万7000人。今年4月に青海(Qinghai)省玉樹県で発生した青海省地震では約2700人が死亡した。 

 チャイナ・デーリーは、めがねをかけ、特許証を誇らしげに掲げる王さんの写真を掲載した。ほかにも5つの発明品で特許を取得しているが、商品化にこぎつけたものはないという。

 AFPは念のため中国特許庁(知識産権局、State Intellectual Property OfficeSIPO)に確認してみたが、ある幹部は「現時点で確認はできていない」とコメントした。(c)AFP