【8月16日 AFP】オーストリア人登山家がこのほど、パキスタンのK2の登頂に成功し、7大陸の最高峰と2番目の高峰すべてに登頂するという前人未踏の快挙に王手をかけた。11月、残った最後の高峰へと挑む。

 クリスティアン・シュタングル(Christian Stangl)さん(44)は13日、K2登頂後にベースキャンプからオーストリア通信(Austria Press AgencyAPA)の電話取材に応じ、「達成した。疲労困憊(こんぱい)だけど、うれしいよ」と報告。これで、7大陸14峰の制覇に王手をかけた。

 シュタングルさんが挑戦しているのは、ヨーロッパ大陸、アジア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、南極大陸、オセアニア大陸の7大陸の最高峰と2番目に高い山に登頂する前人未踏の記録。残る山は、南極大陸2番目の高峰、タイリー山(Mount Tyree)で、11月に挑戦する予定だ。

■無酸素で頂上まで走破する「スカイランニング」

 シュタングルさんは「スカイランニング(skyrunning)」と呼ばれる登山スタイルをとる。これは、山を1人で走り、酸素ボンベを使わずに最低限の装備で、1度のスパートで走破するというもの。

 シュタングルさんのウェブサイトによれば、2006年には世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)の山頂に16時間42分で到達し、外部の協力を得ずにたった1人でわずか1日でエベレストを制覇するという史上初の記録を達成した。

 しかし、最も登山が困難な山の1つとされるK2登頂の際には、シュタングルさんはスカイランニングを行わず、じっくりと70時間をかけて登頂した。

 これまでにも、シュタングルさんは、「世界7大陸最高峰登頂スピードツアー」と名づけたプロジェクトで、世界7大陸のそれぞれの最高峰の7つの山を、合計58時間45分で制覇するという記録を達成している。(c)AFP