【8月12日 AFP】水不足が続くバングラデシュの北部の農村地帯で、モンスーンの雨を降らせて農作物を守ろうと、農民たちが「カエルの結婚式」を挙げる雨乞いの儀式が盛んに行われている。関係者が11日、明らかにした。

 バングラデシュは7月、過去数十年でもっとも雨が少なかったことから、何世紀も前から続くこの儀式が数多く執り行われているという。そのうちの1つ、ラムチャンドラプル(Ramchandrapur)村で行われた「結婚式」では、住人300人が一番よい服を着て列席した。

 カエルの「新郎新婦」は、前頭部に赤く線を描かれて専用のザルに乗せられ、バナナの葉のステージまで運ばれる。列席者が歌を歌い、米や草を供えて式が終わると、カエルは村の池に放されるのだという。「結婚式」では子どもたちに伝統菓子がふるまわれる。

 バングラデシュでは通常、6月~9月がモンスーンの雨期にあたり、この時期の降雨量は年間降水量の75%以上に相当する。しかし、同国気象庁筋によると今年は、最も降雨の多い7月の雨量が前年より36%少なかったという。(c)AFP