【7月21日 AFP】ロシア南部クラスノダール(Krasnodar)地方ゴルビツカヤ(Golubitskaya)のアゾフ海(Sea of Azov)に面した海岸で前週、上空にパラセーリングをするロバが現れ、海水浴客たちを驚かす騒ぎがあった。ロバはパラシュートを付けられてボートで引っ張られており、恐怖のためか鳴き声をあげていた。この騒動に対し、地元当局は20日、警察が捜査に乗り出したことを明らかにした。

 地元警察の報道官によると、この「空飛ぶロバ」は、パラセーリングを楽しむことができるプライベートビーチに海水浴客を呼び込もうと、ロシア人ビジネスマンらが行った即興の宣伝活動だったという。ただ、海水浴客ではなく地元警察の目をひくこととなり、今週になって捜査が始まった。

 地元警察当局者はAFPに対し、「ロバは悲鳴を上げ、子どもたちは泣いていた」「誰も警察へ通報することに思いが至らなかったようだ」と語った。実際、海水浴客はロバの写真を撮ったり、地元新聞社に電話したりしていたという。

 国営テレビが放送した映像では、この騒動を起こした張本人のビジネスマンらが、大勢の海水浴客が見守る中、ロバの背中にロープを取り付ける様子が映し出されていた。その後、ロバはボートに引かれ空高く舞い上がった。海上で旋回をくり返す中、ロバは上空でパニックになって足をばたつかせていた。

 地元紙タマン(Taman)によると、ロバは着陸時に水際を数メートル引きずられ、ひん死の状態だったと報じている。同紙は、動物虐待が頻繁に起きているロシアでも、今回の一件は驚きをもって受け止められ、地元住民はショックを受けているとしている。(c)AFP/Anna Smolchenko