【7月3日 AFP】サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)のこれまでの戦いで、ドイツ代表チームの勝敗を100%的中させている「タコの予言者」パウル(Paul)を「自然に帰すべきだ」と、国際動物愛護団体PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)が求めた。

 PETAは2日、「パウルは3日のアルゼンチン戦でのドイツの勝利を予言している。勝利のあかつきにはパウルも一緒に祝えるよう、サッカーファンだけでなくわれわれPETAドイツも、パウルを自由にすることを望む」と声明を発表し、ドイツ・オーバーハウゼン(Oberhausen)の水族館「シーライフ(Sea Life)」で飼育されているパウルを、漁業が禁じられているフランス南部沖に放すよう提案した。

 PETAで活動する海洋生物学者タニア・ブライニング(Tanja Breining)氏も「狭い水槽に閉じ込められるよりも、広い海にいるほうがパウルのためだ」とこの提案を後押ししている。

 PETAによると、タコは無脊椎動物の中でも最も賢く、複雑な思考プロセスをこなす能力があるほか、短期記憶も長期記憶もよい。道具を使ったり、自分が見たことから学習することもでき、一匹一匹個性がある。

 しかし水族館側は「飼育環境下で生まれた生物は、エサをもらうことに慣れてしまっていて、自分でエサを探した経験がない」ため、パウルを放すのは妙案ではなく、かえって「死んでしまうだろう」と提案を退けている。(c)AFP

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