【6月30日 AFP】ニュージーランドで29日、仏皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)の死亡直後に切り取られた毛髪の束がオークションにかけられ、約1万3000ドル(約115万円)で落札された。

 オークションを主催したArt+Objectのハミッシュ・コニー(Hamish Coney)氏によると、落札したのはロンドン(London)のコレクターで、名前は伏せられている。

 この毛髪は、1821年にナポレオンが幽閉先のセントヘレナ(St. Helena)島で亡くなった日の朝に切り取られたものだという。

 この毛髪を含めたコレクションは、セントヘレナ島でナポレオンに仕えていた、英軍将校で芸術家だったデンゼル・イベットソン(Denzil Ibbetson)氏の子孫が出品した。何年にもわたってスーツケースの中で眠っていたのだという。

 同じく出品され、6600ドル(約58万円)で落札されたイベットソン氏の日記には、ナポレオンは1815年のワーテルローの戦い(Battle of Waterloo)で敗れたにもかかわらず、英国進出の野望を心に秘めていたとの記述がある。

 また、イベットソン氏が描いたナポレオンの水彩画やスケッチ約25点も出品されたが、ナポレオンの臨終の様子を描いた水彩画のリトグラフは、今回のオークションの最高額である1万4600ドル(約130万円)で落札された。

 一連のコレクションは、1864年にイベットソン氏の息子によってニュージーランドに持ち込まれ、一族によって代々受け継がれてきた。(c)AFP