【6月18日 AFP】高齢の親から財産をだまし取るのは、娘よりも息子の方が多いとするオーストラリアの調査結果がこのほど明らかにされた。

 ビクトリア(Victoria)州の遺産管財人組織「State Trustee」が作成した報告書は、オーストラリア人の平均寿命が伸び続け、経済的にも豊かになっている現状では、遺産の管理や資産の譲渡等の問題の重要性は増しつつあると指摘する。

 データを総合すると、財産犯罪の被害にあう高齢者の大半は女性で、加害者は圧倒的に息子、という全体像が浮かび上がった。

 被害者の平均年齢は80歳で、ほぼ3分の1が85歳以上だった。認知症などの病気を患っている人もいた。

 財産犯罪の中身としては、偽造、年金基金の使い込み、遺書の書き換え、不動産名義の変更などが報告されている。

 成人になった子どもは、親の資産の権利は自分にもあると信じて疑わず、財産犯罪に関する良心のかしゃくがない場合が多いという。不動産が値上がりを続けていることにも問題の一因があるとしている。

 同組織は、親の資産を誠意を持って管理しようという子どもは多いが、年月がたつと誰が何を所有しているかがあいまいになり、年配の親たちがふと気づくと手元には何も残っていなかった、というケースもあると注意を促している。(c)AFP