【6月16日 AFP】フランス政府は16日、年金の支給開始年齢を現行の60歳から62歳に段階的に引き上げることなどを柱とした年金制度改革案を発表した。 

 記者会見したエリック・ブルト(Eric Woerth)労働相は、「年金制度改革は急務だ」と訴え、「魔法による解決はなく、就労年数の延長は避けられない」と述べた。

 ブルト労働相の説明によると、年金支給開始年齢の引き上げは、混乱を避けるため2018年までに段階的に実施する計画。また、加入期間を40年6か月から41年3か月に延長することも検討している。

 合わせて、年金財政改善のため高額所得者や利子所得を対象に新税を導入し、37億ユーロ(約4160億円)の税収増を見込んでいる。

 年金制度改革法案は7月にもニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領の内閣に提出され、9月に仏議会に上程される見通し。だが、各労働組合はストライキやデモで徹底抗戦する構えだ。

 フランスでは1980年代前半にフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)大統領の社会党政権が年金支給開始年齢を60歳に引き下げて以来、支給開始年齢の引き上げ論議はタブー視されてきた経緯がある。(c)AFP