【5月22日 AFP】オーストラリアを訪問する人はこれまでも入国の際に税関で、銃器や不法薬物の所持について尋ねられてきたが、前年9月より新たな質問が加わったという――「あなたはポルノを所持していますか?」。

 オーストラリア税関当局は21日、前年9月よりポルノ所持についての質問を実施していると述べた。児童ポルノなどの違法ポルノを国境沿いで食い止めることがねらいだという。

 しかし、「Australian Sex Party(豪州セックス党)」は、オーストラリアを訪問する人びとのノートPCや携帯電話をのぞき見ることを可能にする「ゾッとするようなプライバシーの侵害だ」と批判する。

「もしも、あなたが恋人との愛の現場を撮影したり、シャワーを浴びているところを撮影したりしていて、(税関の)質問に『はい』と回答しなかったら、あなたは違法行為をはたらいたことになる」と、豪州セックス党のフィオナ・パッテン(Fiona Patten)代表は述べる。

 パッテン代表によると、豪州で合法な成人向けポルノを所持する訪問者は、所持を宣言しなければならず、それを税関職員に詳しく審査される可能性もあるという。「税関職員が誰かの荷物の中身をかき回して、子どもや義母の目の前で合法な男性向けポルノ誌やレズビアン雑誌を取り出すことが、正しいことだと言えるだろうか」とパッテン氏は問題提起した。

 一方、税関当局によると、児童ポルノや動物とのセックス、露骨な性的暴力などが持ち込み禁止の対象であり、合法に入手、所持、閲覧されるポルノは返却されるという。また、担当者には配慮のできる訓練された人員を配置していると説明した。(c)AFP

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