【1月30日 AFP】中国南西部、四川省(Sichuan)成都(Chengdu)に建設中の集合住宅地が、「西洋風の見た目」の外国人にしか部屋を賃貸しない方針を打ち出したことをめぐって、中国国内では19世紀の租借地時代以来の人種差別との怒りが巻き起こっている。国営英字紙・環球時報(Global Times)が29日、伝えた。

 この方針を打ち出したのは成都の「天府インターナショナルコミュニティー(Tianfu International Community)」。中国人は、外国のパスポート(旅券)を持っていても、同住宅地に住むことはできないという。

 開発に携わっているChengdu Hi-Tech Propertiesの関連会社でマーケティング部門に勤務するWang氏は、中国人の入居禁止について、国際コミュニティーを「純粋」に保っておくために必要な措置だと語った。

「国際コミュニティーが純粋に保たれているようにしなければならない。外国人とは西洋風の見た目をした人びとのこと。それ以外の人びとについては、そのうち歓迎するかもしれない」

 中国で「西洋風の見た目」とは、白人を意味する。

 この住宅地には教会や学校、病院、公園などの施設も併設され、約5000人が生活する。開発の第一段階は10月に完了するという。

 グループ企業、Chengdu National Hi-Tech Zoneの建設計画部トップのゼン・シャオミン(Zheng Xiaoming)氏は、国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に対し、外国人限定の方針は、コミュニティーを「真に国際的」にするために必要だと語った。「地元住民には一切販売しない。外国人にだけ賃貸する方針だ」

 この開発計画に対し、成都在住の中国人やネットユーザーらの間で、差別主義的で、1800年代のアヘン戦争後に租借地が作り出されたことを想起させるものだとして怒りが巻き起こっている。

 成都市民のGao Songさんは、「中国人を締め出して人種隔離をするつもりだ」と批判。ネットユーザーのZhao Yalingさんは、昔「中国人お断り」との看板が立っていた上海(Shanghai)の黄浦公園(Huangpu Park)のようだと非難している。(c)AFP